先天性疾患による麻痺から「ひざ立ち」へ。8歳りおなちゃんの一歩と神経整体の可能性|大口神経整体院

背骨の手術後、「1ミリもお尻が浮かなかった」ところからのスタート

先天性疾患による低身長というハンディキャップを持ちながら、
明るいキャラクターで多くの人を笑顔にしている りおなちゃん(8歳)

2022年5月に背骨の手術を受けた影響で、
胸から下が麻痺し、歩くことが難しい状態になりました。

お母さんいわく、

「この体勢からお尻を浮かせることが、この3年間は1ミリもできなかった」

それくらい、「ひざ立ち」という動作は遠い目標でした。


目標は「歩くこと」。でも、その前に大切なステップがあります

りおなちゃんとご家族の大きな目標は、
もちろん 「いつか自分の足で歩くこと」

ただ、歩行にたどり着くまでには、

  • 体幹でしっかり支えられること

  • 股関節・ひざ・足首を安全に使えること

  • 上半身と下半身の連動

  • 重心をコントロールできること

といった、たくさんのステップがあります。

その中でも今回の大きなテーマが、
「自分の力でひざ立ちをして、姿勢を保つこと」 でした。


最初の5日間は「どこまで刺激を入れていいか」探りながら

最初の連続5日間のリハビリでは、
どこまで負荷をかけていいのか、どこまで頑張れるのか、
お互いに手探りの状態からスタートしました。

動画内でも話している通り、

「最初の5日間は、本気をどこまで出しても大丈夫なのかが分からなかったので、
少しずつ様子を見ながらペースを上げていった」

という経過でした。

  • 体幹がどこまで耐えられるか

  • 左右の差がどれくらいあるか

  • どの姿勢なら「怖くない」のか

  • どこまでなら「楽しいチャレンジ」でいられるか

を一つ一つ確認しながら、
少しずつ負荷と課題をステップアップしていきました。


神経整体の視点:ただ「筋トレ」をしているわけではありません

大口神経整体院で行っているのは、
いわゆる「根性のリハビリ」や「ひたすら筋トレ」ではありません。

りおなちゃんの場合も、

  • 神経の伝達状態(どこまで力が伝わるか)

  • 体幹と下肢の連動

  • 「できそう」「怖い」という感覚のバランス

  • 成功体験を積み重ねる順番

を意識しながら、

「神経がうまく身体をコントロールできるように再学習していく」

という発想で関わらせていただきました。

動画の中でも、

「今のは“骨でコツンと立った”感じじゃなくて、“自分で力を出して立てた”」

という会話が出てきますが、まさにここがポイントです。

  • たまたま姿勢が止まった

  • 誰かに支えられて立てた

ではなく、
「自分の意思で力を入れて、重心をコントロールできた」
この瞬間が、神経整体的にはとても大きな前進になります。


「自分でひざ立ちできた!」その瞬間は、全員が鳥肌でした

ある日のリハビリ中、
ソファーにつかまりながら、いつものようにひざ立ちにチャレンジしていたときのこと。

いつもより明らかに力の入り方が違い、
ぐらつきながらも自分の力でグッと姿勢を保てた瞬間がありました。

周りからは、

「それそれそれ!そのまま!」
「今のすごい!今の自分で力入ってた!」
「今のが今日一番よかった!」

と、思わず声が弾んでしまうくらいの動き。

りおなちゃん自身も、
「立てた」という感覚があったのか、
何度か繰り返すうちに ひざ立ちの時間が少しずつ長くなっていきました。

お母さんはInstagramで、

  • 「この体勢からお尻を浮かすことが3年間は全くできなかった」

  • 「歩くという大きな夢に、また一歩近づけた一日でした」

とその想いを綴っておられ、
投稿にはたくさんの応援コメントや反響が寄せられました。


「立つ」ことはゴールではなく、“通過点”

動画の後半では、
支えながらの立ち上がりにもチャレンジしています。

  • 一瞬でも「ピタッ」と止まれたこと

  • 力が抜けてしまう瞬間と、入る瞬間の違いを一緒に確認できたこと

  • 「今の感覚を覚えておくこと」が次の課題になったこと

こうした積み重ねが、
「ひざ立ち → 立位 → 歩行」への大切な階段になります。

もちろん、ここから先も時間はかかりますし、
すべてが順調に右肩上がり、というわけではありません。

それでも、「一度できた経験は、必ず次への土台になる」

ということを、今回のひざ立ちを通して
ご家族と一緒に共有できたのではないかと思います。


ご家族の協力こそが、最大の「治療力」

動画の中では、
ご家族も一緒になって声をかけたり、
リハビリのやり方を学んだりしている様子が映っています。

最後の方では、

「こんなん家でやってくれたら、
1人治療家が増えたようなもんやな」

という話も出てきます。

  • お家でできる負担の少ないケア

  • 寝る前の10分だけでもできるルーティン

  • 「できたね」を一緒に喜ぶサポート

こういった 日々の積み重ねが、神経の再学習を後押しする大きな力 になります。


大口神経整体院から、同じような状況のご家族へ

今回ご紹介したのは、
たくさんの工夫と、りおなちゃんの頑張り、
そしてご家族の支えが重なって生まれた「ひざ立ち」の一場面です。

同じように、

  • 先天性の疾患がある

  • 手術後の麻痺や後遺症がある

  • 「もうこれ以上は難しいかもしれない」と言われている

そんな中でも、
「少しでも今よりできることを増やしたい」
と願っているお子さんやご家族はたくさんおられると思います。

私たちは、

  • 「必ずこうなる」と結果を保証することはできません。

  • 病気そのものを治す医療行為を行う場所でもありません。

それでも、

「今できていること」
「あと一歩できそうなこと」
「その先にある、本当に叶えたい目標」

を一緒に整理しながら、
神経の働きに着目した整体とリハビリで、“前に進む一歩”のお手伝いができれば、と考えています。


最後に:動画もぜひご覧ください

今回のブログは、
YouTubeに公開している りおなちゃんのリハビリ動画
Instagramでの投稿内容をもとに構成しています。

文章だけでは伝わりきらない、

  • 呼吸

  • 表情

  • 空気感

  • 「できた!」瞬間のみんなの声

は、ぜひ動画でも感じていただければ嬉しいです。


大口神経整体院では、
お一人おひとりの「物語」と向き合いながら、
神経整体という形でサポートを続けていきます。

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